草紅葉が終わっても熊沢田代は美しかった/御池から燧ヶ岳

草紅葉が終わっても熊沢田代は美しかった/御池から燧ヶ岳

御池から燧ヶ岳へ。
読めねぇ...「みいけ から ひうちがたけ」と読む。

ざっくり「尾瀬」だ。尾瀬と言えばいわゆる「尾瀬ヶ原」や「尾瀬沼」をイメージすると思うけど、尾瀬ヶ原の向こう側・北に位置するのが燧ヶ岳で、御池はさらに北にある登山口だ。
と、説明しているものの私も知ったのは最近だ。尾瀬へ旅行する家族とLEGOが家にあるのは金持ちだと子どもの頃から心得ている。私が尾瀬がどこにあるかをしっかり認識したのは50歳を過ぎてからだ。未だに金はない。

東京から御池登山口までクルマで約4時間半、登山口の隣にある御池ロッジは常時満室なので東北道の西那須野塩原IC近くに前泊した。登山口まで100km、約2時間かかる。朝4時半、まだ暗くて寒い中、宿を出発する。5月に会津駒ヶ岳を歩いた時にも通った道なので心配はない。宿を出て5分も走るとその先にコンビニはなく、集落と集落を繋ぎながら広くはないけど細くもない道が100km続く。前回、道を塞いでた猿の群れはいなかった。
会津駒ヶ岳の登山口・滝沢登山口をかすめてさらに奥へ進む。温泉街を抜けるとまだ紅葉が残っている赤と黄色の山道を登った先が御池だ。整備されてキレイな山の駅と宿泊施設の先にある広い駐車場は、オフシーズンの平日だけあって車はわずかしかいない。これなら車中泊でも静かによく眠れたかもしれないと一瞬よぎるがどうせ私のことだ、狭いだ、体が痛いだ、やっぱりうるさいだと後悔するはず。睡眠不足は見事に体が動かなくなるので、ほったて小屋のような宿だったけど屋根と壁があるところに泊まって正解だったはず。素泊まり4,200円。

MAZDA MX-30

燧ヶ岳 御池登山口

燧ヶ岳

燧ヶ岳

熊沢田代

同じ頃に駐車場に到着した数名がパラパラと登山口に入っていく。私も7時前に登山口を出発。落ち葉に溢れた道は数百メートルで終わり、前日の雨か朝露かで濡れた木道の上を滑らないように気を遣いながら高度を上げる。前回の山行から二週間と私にしては短いインターバルなのでスイスイ進むだろうなという期待とは裏腹にスピードは上がらない。後から来たヤングがひょいひょいと膝のバネを効かせて軽やかに登っていくのが羨ましい。朝イチで抜かれたその青年にその後会うことはなかった。私が鼻息荒く抜かした大先輩3人組は、その後、道中の休憩ポイントで何度も顔お合わせ、「どうもどうも」と挨拶を交わした。若さをくれ。

登りが一服すると「広沢田代」、次いで緩やかに登っていくと一気に視界が広がる「熊沢田代」へつながる。池塘の中央を一本の木道が貫き、その先に山頂が見える。思わず声が出た。今日はもうここで終了でいいや思わせるに十分。何度も立ち止まり、前後左右の景色を確かめる。ゆっくりし過ぎたのか、さっき抜かした大先輩3人組に追いつかれてしまった。
ここまでで約半分。ここから90分かけて俎嵓(まないたぐら)へ登る。何度も熊沢田代を振り返って見下ろしたのは景色が素晴らしいだけじゃなくて、急登が苦しいからだ。山が本気出してきやがった。木道は壊れ、濡れて滑り、泥濘に足を取られ、岩には雪が凍ってツルツルとコンディションは地味に良くない。熊沢田代で帰ればよかったのに。それでも山頂からは尾瀬が見下ろせると聞いていたので引き返さずに進んだ。

燧ヶ岳 俎嵓

燧ヶ岳

燧ヶ岳

まずは第一のピーク「俎嵓(まないたぐら)」。そして一度ガクンと下りてから登り返して燧ヶ岳に登頂。尾瀬の沼と原を見下ろしてみる...多分あそこは見下ろすよりも歩いた方が楽しそうだな。来年はあそこを歩こう。
山頂で昼ごはんを予定してたけど行動食をしっかり摂って歩いていたせいか、お腹も減ってないし面倒なのでコーヒーだけにする。コーヒーは今回新兵器を持ってきた。先日、山でのドリップがダルいとポストしたら友だちから「浸漬法がいいんじゃないですか?」と提案があったので、不織布のお茶パックに挽いた豆を詰めて、いわばティーバッグ風にして沸かしたお湯に浸してみることにした。できるまでの待ち時間で冷めないようにサーモスの200mlスープジャーをこの日のために用意した。
事前に自宅で粉の量と時間を何度かテストしていてなんとなく分かってはいたけど、手軽ではあるがなかなか美味しく仕上がらない。お茶パックのサイズが大きいためにお湯を吸いすぎる=コーヒー液が少なくなるのがまず大きな問題。パックを小さいサイズに変えて粉をギュッと詰め込むといいのか。パックを入れたままだと飲み難い=パックを取り出せば...パックがなければ...それって、インスタントコーヒーだよな?と迷走中。それなら、以前から持っている持ち運び可能なフレンチプレス機を再登板させてみようかと検討中。

燧ヶ岳

熊沢田代

熊沢田代

山頂で小一時間ゆっくりして、来た道を戻る。御池から燧ヶ岳へ向かう場合は、ピストンではなくて沼山峠に下りてバスで御池まで戻るコースがあり、俎嵓から沼側へ下りていく人と半々くらいだった。私はバスの時間に間に合うように歩くのがストレスなのでピストンを選択。また熊沢田代も歩けるのもいいじゃんね。
気温も上がって氷も溶け、さらに泥濘んだ道を下山する。途中盛大のこけてそのまま斜面をズルズルと落ちていくのを草を掴んで阻止した。体の左半分が泥まみれなので、誰が見ても転んだ人だが気にしない。熊沢田代に戻ってきた頃には、尾瀬の風で左半身の泥もパキパキに乾いていて余計目立つ。
今回はカメラの出し入れの際に邪魔になるからが半分、イキり半分でポールはザックに挿したまま使わなかったために熊沢田代に戻ってきた時点で足がくにゃくにゃに疲れていたこともあり、池塘の真ん中にあるベンチで長めの休憩をとる。往路より日差しが強いが雲も多くゆるやかな風もあって気持ちが良い。遠くで歩いている少し疲れ気味のハイカーの背中が樹林帯に消える頃に私もまた歩き始めた。
14:10御池着。山の影で暗くなった駐車場で帰り支度を済ませ、クルマを走らせる。
御池から約10分の檜枝岐温泉「駒の湯」で汗を流し、少し遠回りして那須のSHOZOでコーヒーをチーズケーキを頂き、山、温泉、コーヒーという私の好物全部入りのドライブを楽しみ東京へ戻った。

MAZDA MX-30

那須SHOZO

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横田茂 / Shigeru Yokota
コーヒーと音楽と山歩きが好きです。整理整頓、夕食の準備が日課。フリーのウェブデザイナー。
Afterhoursではコーヒーとデザインを担当

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