狭い間取りの団地育ち
私はヒップホップじゃない方の東京生まれで、狭い間取りの団地育ちだ。それから50年以上東京に住んでいる。
団地に住んでいた時間の何倍も他所にいるけれど、育った場所はやはり特別でクルマを手に入れてからは時々来るようになった。
市もなくなり、小学校も建て替えられて名前が変わってもここはあの頃の多くが残されている。
家を出てから帰って来るたびに人気が少なって、子供の頃に感じていた活気はもうない。
大きかった5階建も今は小さく感じるし敷地も狭く思えて、毎年少しずつスモールライトを浴びせてるのではと疑う。
団地のはずれにある行きつけだった床屋のグルグルはまだ回っている。
おじさん、まだいるのかな?
ボクだよとフラっと寄りたいが私には髪がもうない。