知床でついにクマ見た:北海道ドライブ2023 Day4

知床でついにクマ見た:北海道ドライブ2023 Day4

4日目。今日はカムイワッカ湯の滝を登ってから網走を経て足寄まで移動する。

朝からのひと騒動はホテルの方の助けで乗り切る。ありがとうございました。
贅沢な朝ごはんをいただきチェックアウト。次回はもっと宿でゆっくりしたい。流氷の時期がいいな。

ウトロ


東京から知床までクルマで来た場合、時間にするとフェリーで1泊+道東で1泊で計3日。費用はカーフェリー代に1泊分の宿泊費とガソリン代に有料道路代となる。飛行機とレンタカーを利用するとうまくいけば半日で来れそうだ。時期にもよるが飛行機の方が時間と費用ともにお得だと今さら確認した...うすうすは気づいていたが詳しく調べなかったというのが正しい。人生も秋になって初めてのマイカーを手に入れた酔いどれオイラの小さな楽しみだから多めに見て欲しいところだ。

8時前にホテルを出て向かうのは知床自然センターだ。8:15発のカムイワッカ湯の滝行きのバスに乗る。夏休みだし売り切れるよね?と張り切って予約開始日に予約した割にはバスはスッカスカのまま出発した。途中、川を歩くクマを見た。クマ。やっぱりいるんだなクマ。
すぐに舗装路からダートに変わりギリギリ一台分の道幅を進んでいく。実は今日がマイカー規制の最終日で明日からはマイカーで滝までアクセスできる。前後の日程調整ができなかったのでバスを予約したけど、この道幅で私のドラテクだと恐らくすれ違いに難儀しただろうからバスで良かった。このダートは約15キロ続く。
出発早々クマが見れたのでもっとたくさんの野生動物に「会える」のを期待した。やがてそれは「見つける」に変わり、バスの窓から森の中を猟師の目で探したものの収穫は0であった。人生の秋を生きるオレの濁った目には何も見つけることができなかった。

知床

さて湯の滝。
持参したウォーターシューズに履き替え、支給されたヘルメットを装着した順に沢へ入って行く。そう、どっちかって言うと「滝」ではなく「沢」だ。しかし湯だ。「沢じゃん」で下がるが「温っけー」で上がる。そして「危ねぇー」でもう少し上がる。
そこそこの斜度が断続的に続く、転んで骨折でもしたらこの旅どころか今年が終わるわと思うと真剣に安全なルートを探すようになる。前方でおばさんが転んでいる。オレは転ばんぞと強い決意で無事にゴール。「これは無理だろ」という滝が現れたがその手前がゴールだった。昔はまだこの先にも行けたらしい。死ぬぞ。

カムイワッカ湯の滝

カムイワッカ湯の滝

カムイワッカ湯の滝

カムイワッカ湯の滝


山を歩いているとたまにあるのが「頑張って登ったけど、これ降りれなくない?」。ステータスがイエローの点滅に変わり、フェイスはブルーへ。アイゼンを初めて装着した日に登った残雪の千畳敷カール。片側は崖の雪が積もった急登の黒斑山。思い出すあの恐怖。ここ北の地、湯の滝で恐怖再びである。滑り落ちたくないので超慎重にゆっくり降りていると、さっき前方で転んでいたおばさんが待ちきれずに私の後ろを降りてくる。転んだら間違いなくオレのところに落ちてくる。さっき転んでたのに。そのフォールライン上にオレがいる。どうか天使よ、おばさんを見えない糸で吊って運んでおくれ。幸いおばさんの進むのより私が降りる方が早かった。悪魔よ、おばさんが次のバスに乗り遅れさせろ。10:30のバスに乗り知床自然センターに戻ってきた。川にはまだクマがいた。おばさんは乗り遅れなかったようだ。

われわれが次に目指すは網走。
春に夢中になって読んだ漫画の舞台の一つを見たいのが理由の一つ。
もう一つの理由は、網走には昼ごはんの時間に着けそうだったのでモリヤ商店でかにめしを食べたかった。
慣れない長距離ドライブで荒ぶった気持ちを鎮めるため夜寝る前に読んでいた本がこだまさんの「縁もゆかりもあったのだ」だ。旅の前にまだ読んでないこだまさんの本を買って旅に出たら旅の本だったのは偶然。焚き火のようなこだまさんの文章が好きでいつの間にか著書は全部読んでいる。面白いことがあっても悲しいことがあってもこだまさんの文章は跳ねることがない。強火にもならないし、消えることもない。たまにパチっと音がするが一瞬だけでまた静かになる。読んでいると荒ぶる心が落ち着いてくる。調子に乗ってやらかしそうな己を諌める火なのだ。
釧路のホテルで読んだところに出てきたのがモリヤ商店のかにめしだった。

涛沸湖

ウトロを出発したのが11:30過ぎだから、13時頃にはかにめしの予定。
だったはずが、滝で身体を動かしたわれわれは汗でベタベタで、途中「天に続く道」に寄ったものの運動後の疲れも加わって「天に続くよねぇ」とクルマを降りることも写真を撮ることもなく通過する程度には枯れていた。われわれは耐えきれずに斜里で温泉のような銭湯のような温泉かもしれないし銭湯だったかもしれない風呂で汗を流した。大人400円位。今調べたら温泉だった。心地よい疲労と風呂上がりのさっぱり感にもう今日はここに泊まろうと思ったが先を急ぐ。

網走駅前

網走駅に着くとロータリー脇にモリヤ商店を見つけた。イートインは駅構内だと店員さんが教えてくれる。駐車場はありますかと伺うと「みんなロータリーの真ん中に駐めてます。大丈夫、みんなそうしているから」とのこと。教えてもらった通りに駐車してみるとクルマが東横インに激ヅメさているみたいな写真になった。かわいそうな私のMAZDA。
駅の待合室の隣にある食堂でかにめし(弁当ではないので「かに丼」という)と「鮭とイクラの親子丼」をいただいた。親子丼の鮭は刺身でなくて焼鮭というのは予想外だった。待合室にエメラルドグリーンの選別をくれそうなおじさんはいなかった。

博物館 網走監獄

博物館 網走監獄

博物館 網走監獄

そして今日最後のイベントは「博物館 網走監獄」である。「網走監獄博物館」じゃない。「コナン・ザ・グレート」的な、「ウェブデザイナー横田茂」ではなく「横田茂 ウェブデザイナー」のような不安定な前後関係だ。
チケットを買って入り、正門をくぐり庁舎のお土産コーナーの壁に白石を見つけたあたりまでは漫画の舞台に来れた嬉しさがあったが、場内を進んでいくと歴史の重みに笑顔は消えていく。観光の楽しさは少ない。建物の創意工夫も理由を知ると気持ちが少し重くなる。受刑者による開削工事で道路ができたというのもなかなか堪える。ただ、来ない方が良かったかというと来て知ることができて良かったし、人にも網走刑務所前で記念撮影するよりもこちらへの訪問を勧めたい。

暑い網走を後に今夜の寝ぐら足寄を目指した。北見周辺の田舎道を抜け十勝オホーツク自動車道を経て242号に入ると山の中だ。前後にクルマが数台連なっているので心強い。ちょうど日が落ちた頃にホテルに到着した。
まだ新しいキレイなホテルで、嬉しいことにホテルの隣にコインラインドリーがあり、これまでの服を全部洗濯することができた。明日からの服がなかったのて助かる。最近のコインラインドリーは私が利用していた頃とは違って、ドラム式で洗濯と乾燥が60分で完了するまでにパワーアップされてる。しかも終わる5分前にスマホに電話がかかってくるんだぜ。
洗濯の間に夕食。足寄の夜は早く、あたりに開いていそうな食堂はない中、ひときわ輝くセコマへ。朝からの滝登りでひどく疲れているせいか食欲もあまりない。ホットシェフで唐揚げ弁当を買い部屋でいただいた。昨夜の豪華な食事も嬉しいが今夜は今夜で沁みる。洗濯物を引き取り、パッキングしてベッドへ。「縁もゆかりもあったのだ」読了。

明日は移動日で新千歳空港で別班と合流し小樽へ向かう。

当ブログではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介している場合があります。

< 釧路からウトロへの長い1日:北海道ドライブ2023 Day3 BLOG TOPサカナクションの日:北海道ドライブ2023 Day5 >

RECENT POSTS

Author

横田茂 / Shigeru Yokota
コーヒーと音楽と山歩きが好きです。整理整頓、夕食の準備が日課。フリーのウェブデザイナー。
Afterhoursではコーヒーとデザインを担当

Archive

Entry Search