タイムアップで小仙丈ヶ岳でUターン/北沢峠から仙丈ヶ岳
誰も好き好んで小仙丈ヶ岳を目指さない。仙丈ヶ岳の途中で踏むのが小仙丈ヶ岳だろう。
藪沢大滝ノ頭からの急登を終えて、「もう少しで仙丈ヶ岳だ、がんばろう」と思うのが小仙丈ヶ岳で、「小仙丈ヶ岳、登頂!」と喜んで北沢峠へUターンする人は少ない。おれ以外。
バスの時刻表を見誤った。
南アルプス林道バスは期間と曜日で始発の時間が異なり、9月の平日の始発は8時だった。すっかり5:30発だと思っていたので、仙流荘のチェックインの際にそう教えてもらった時は驚いた。行動開始時間が2時間半遅れるってことは、標準コースタイムで考えると16時発のバスにギリギリ。休憩などを含めると間に合いそうにないので、登山自体をやめて早朝のビーナスラインでもドライブして帰ろうかとも考えたが、バスの往復乗車券と宿泊費を併せて支払ってしまったこともあって行くことにした。宿泊予約のページに「券売機に並ばなくて済む便利なバス乗車券もご用意しています!」的なことが書いてあったから。「並ばなくて済む」は魔法の言葉だ。
9時スタートでグングン進めるようだったら仙丈ヶ岳まで行っちゃうよ!位に自分を鼓舞した。
実際に歩き始めると前回の山行から2ヶ月のブランクのせいか、思ったように足が前に出て行かないし、心臓がBring The Noiseのツーバスなみにドカドカ鳴る。5月に歩いた会津駒ヶ岳と同じような距離と高低差だから仙丈ヶ岳まで行けるかもという淡い期待は、藪沢大滝ノ頭からの登りの途中で砕けて消えた。数歩進むたびに息を整える。好きなハイマツの匂いも辛く、もう山歩きは無理かな?くらいにやられていた。
結局、せっかく苦しい急登を終えてこれからお楽しみの稜線歩きを前にしてタイムアップだった。唯一、ガスっていたので「また晴れた日に来ればいいや」と思えたのが救い。救われてないけど。Turn It Up!
最終バスまでには時間があるのでゆっくり降りたが、膝に疲れが出て下りも思うように進めなかったので、仙丈ヶ岳まで行ってたら99%間に合わなかった。小仙丈ヶ岳の山頂でお会いしたお兄さんは仙丈ヶ岳に登頂後は馬の背ヒュッテに泊まると言ってたし、帰ってからかほちゃんのYoutubeを見たら北沢峠泊で5時に行動スタートの日帰りだった。計画ミス。
次回は、9時のバスに乗って北沢峠着、10時から行動開始で藪沢小屋か馬の背ヒュッテ泊、翌日に仙丈ヶ岳ピークから小仙丈ヶ岳を回って下山にしよう。ブランクを開けずに積極的に体力を維持しないと。
帰りのバスでは、工事車両が故障して林道を塞いだまま動かないので、途中でバスを乗り継ぐハプニングがあった。満席の登山客が誰も文句を言わず静かに歩いてたのは疲れてたからなのか、臨機応変な対応を要する登山スキルからなのか。