仙丈ヶ岳とギアのテスト、3年ぶりの登頂

仙丈ヶ岳とギアのテスト、3年ぶりの登頂
雲を被る高山の斜面とハイマツの群生
白い雲が広がる稜線と眼下に続く仙丈ヶ岳の登山道

7月下旬、南アルプスの仙丈ヶ岳へ。 3年前、小仙丈ヶ岳の先でタイムアップとなり撤退した宿題を果たすこと。そしてもうひとつ、来月に控えている北アルプス2泊3日テン泊縦走に向けた、ギアと身体のテストが今回の目的だ。
天気は曇り。晴れてないのは残念だが、3,000mの夏山としては、ウェアリングを試すのに格好のコンディションだと思うことにする。

道具の更新と、収まりの試行錯誤

長年使ってきた道具を見直し、いくつか新しく投入した。

SOTOのウィンドマスターとPAAGOWORKS TRAILPOT R500をセットしたコーヒーを淹れる道具

まずはバーナー。
2011年の登山開始時から使っていた古いバーナーから、SOTOの「ウィンドマスター」へ。かつて蝶ヶ岳で着火しなかった経験や、壊れたイグナイターから解放され、風の中でも一発で点火する当たり前の安心感に静かに感動した。
ただひとつ痛恨だったのは、お気に入りのPAAGOWORKS「TRAILPOT R500」の中にすんなり収まらなかったこと。とりあえず実用性を取った結果として受け入れるが、なんとか改善したい。

地面に置かれたPAAGOWORKS BUDDY 33バックパックとFIZANのトレッキングポール

ポールは、LEKIのブラックシリーズの三つ折りモデル(片方を紛失し、しばらく1本で運用していた)から、FIZANの「TREKKING COMPACT FREELIGHT model」へ買い替えた。
片手が空く1本運用は写真を撮る時などに楽で気に入っていたが、長距離を見据えて2本体制に戻した。三つ折りはザックの外に取り付ける際にかさばるのが気になっていたので、伸縮式のFREELIGHTは収納がスマート。重量もカーボン製のLEKI(408g)から、アルミ合金ながら316gへと軽くなり、手元の動作が格段に軽快になった。

3,000mの気候と、手探りのレイヤリング

ハイマツでおおわれた斜面とガスが立ち込める仙丈ヶ岳の登山道を歩くハイカー
短パンとローカットシューズ、メリノウール長袖を着用して山頂近くに立つ登山者の姿
足がちょっと寒い

3,000m超の気候に対する肌感を掴むため、ウェアの組み合わせも細かく試した。
短パンにジオラインのクールメッシュ長袖、その上にメリノウールの半袖という組み合わせで歩き出したが、樹林帯でも肌寒さを感じ、途中でメリノウールの長袖を追加。日照の有無や風の強弱で体感温度が刻一刻と変わる中、メリノ長袖の脱着で細かく調整を行ったが、短パンはやり過ぎた感あり。ローカットシューズと合わせて足回りは軽快だったものの寒さが常に気になってしまった。道中、短パンだったのはアスリートの外国人女性と上級者と思しき若きULハイカーだけ。また、冷えへの備えとしては薄手のウィンドブレイカーが1枚あれば完璧だったと感じる。この気づきは、そのまま来月の本番に活かせそうだ。

はじめてのテン場

長衛小屋キャンプ場に立ち並ぶカラフルな山岳テントの全景
樹林帯を背にして設営されたターコイズブルーのモンベル ステラリッジ テント1

2ヶ月前にようやくテン泊を始めたばかり、かつ堅牢な屋根と壁、風呂をこよなく愛する身。まずは「テン場」の雰囲気を知ろうと前日に長衛小屋のキャンプ場へ前乗りする。

今回、山道具レンタル屋でお借りしたのは、モンベルの「ステラリッジ テント1」。以前使ったカミナドーム1に比べ、短辺側に出入り口を設けた構造上、内部がやや狭く感じられたが、寝るだけであれば必要十分な居住性だ。テン場を見渡すと、自分のテントが一番小さかったようだ。

夕方、周囲のグループが酒盛りで賑やかになり、テン場の洗礼を受けたが、陽が落ちると一転して沈黙したことに感心した。キャンプ場とは異なり、各自が翌日の行動に向けて静かに体を休める山の夜の尊さよ。
私も周囲のいびきをノイズキャンセリングイヤホンで遮り眠りについた。

翌朝は6時出発を予定していたが、午前3時には周囲が静かに準備を始める気配で目が覚めた。4時半に出発。結果として山頂付近で晴れ間の覗く絶好のタイミングを捉えることができ、早出早着の先輩ハイカーたちに敬礼である。

小さな手応えと、北アルプスへの準備

ギアの検証も大きな収穫だったが、今回なにより嬉しかったのは自身の体力の変化だ。
3年前、藪沢大滝ノ頭からの登りで酷く息を切らし、ハァハァと苦しんだ記憶が強く残っていたが、今回は、自分のペースを崩さず、足運びの感覚を確かめながら最後まで楽しく歩き通すことができた。

まだまだ試行錯誤の連続だが、少しずつ山と自分の身体の距離感とテン泊の感覚が掴めてきた気がする。今回得た課題と小さな手応えと共に準備を進めたい。

ハイマツでおおわれた緑豊かな斜面と山頂へ続く登山道
濃いガスに包まれた小仙丈ヶ岳(標高2,864m)の山頂標識
薄い霧が流れる稜線とハイマツの尾根道
雲が垂れこめる稜線を歩く2名のハイカーの背中
青空が広がり始めたハイマツの斜面と山頂へ続く一本道
仙丈ヶ岳の山頂標識へと向かって岩の登坂を進むハイカーたち
青空のもとハイマツの尾根が緩やかにのびる小仙丈ヶ岳付近の美しい稜線
仙丈ヶ岳のカール底部に小さくたたずむ仙丈小屋と雲間の景色
岩とハイマツが交差する尾根を軽快に歩く大型ザックのハイカー
ガスの切れ間から陽が差し込む仙丈ヶ岳の大カールと山小屋
仙丈ヶ岳の山頂付近から見下ろす緑豊かな山肌と深い谷間
仙丈ヶ岳(標高3,033m)の山頂を示す木製の山頂標識
仙丈ヶ岳山頂の岩場で雄大な稜線を背景にカメラを構える風景
緑のハイマツにおおわれた稜線と雲に包まれる仙丈ヶ岳のピークへの登山道
切り立った岩場と鋭い尾根が続く仙丈ヶ岳のダイナミックな山容

Tags: 仙丈ヶ岳, 南アルプス

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横田茂 / Shigeru Yokota
ブランドサイトやECの制作・運営をサポートするフリーランスデザイナー。
Afterhoursではコーヒーとデザインを担当
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