すべてはコーヒーのために:伊豆山稜線歩道 33kmの初テント泊記
前回の蛭ヶ岳ハイキングより歩く距離を伸ばそうと、伊豆山稜線歩道へ。
天城峠イン、だるま山高原レストハウスでアウトの一泊二日約33キロのハイキング。堅牢な屋根と壁、温かい風呂をこよなく愛する私の初めてのテント泊となるが、上級者の山口さんと一緒なので心配は少ない。



「やまどうぐレンタル屋」でお借りしたカミナドーム1は、初心者の私でもぶっつけ本番でいびつながらも形にできた。「何事も経験ですよ!人は失敗から学ぶんですよ!」が信条の山口氏からのアドバイスはもちろん少なかったが、当日は雨も降らず風も強くないというテント泊には好条件。天気よ、ありがとう。
暗くなると鹿がテントの横をウロウロしていたようだが気が付かないふりをして乗り切り、耳栓を装着して何ごともないかのように深く眠る。
稜線上にテントを張ったのは、「朝、テントを開けると駿河湾が見渡せるんですよ!」と歩き疲れた末に無理やりバイブスを上げた山口氏の判断だった訳だが、明朝に我々を待っていたのは、風の街に生まれ、雨の夜を過ごした訳でもないのに美しく真っ白なガス、ガス、ガスだった。







日帰り小屋泊と違ったのは水だ。下調べをしていると道中に水を買える店や自販機はなく、不確かな水場情報があるだけ。いつも比較的に多めの水分が必要な私はこの日は4.5Lを用意し、もしものために浄水器「SAWYER マイクロスクィーズフィルター」を購入して備えた。これに救われることになる。
二日目の昼食のカップヌードルのお湯すら足りない危機的状況の中で、見つけた水場で浄水器を使って1Lの水を得ることができた。残り3時間の道中、喉を乾かしながらカップヌードルを生で齧りながらご機嫌に歩き続ける強さを我々は持たない。



さて、初めてのテント泊を終えてみての感想は、「ハマりそう」、「もう2度とゴメン」の両極ではなく、また機会があればやりたい。ただ、全ての時間を自分でコントロールできる点は、日帰りや小屋泊と大きく違って山行をより楽しいものにしてくれた。これが自由というやつか。特にドリップしたコーヒーを景色を見ながらゆっくり味わうのは至福の時間で、コーヒーのためだけにテント泊をする価値があるとすら思う。
「住」と一緒に移動することで「重」の負担は増えるが「自由」になれる。これまで多くのハイカーから聞いていたことを体感できた旅になった。またテントを担いでコーヒーを飲みに行こう。